『恩返し』とボランティア活動をする野球部員の姿に感動

岩手県陸前高田市は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波の被害を受けた場所の一つです。大津波は市役所をはじめ、中心都市が壊滅し全世帯のうち7割が被害を受けたと言われています。この地域にも多くのボランティアが行き、さまざまな活動をしていました。秋田県大仙市も数多くのボランティアを派遣した地域の一つです。

この陸前高田市の県立高田高校の野球部員が、今度は秋田県大仙市にボランティアで活動をしたというニュースを聞きました。自分たちが困っていたときに助けられた恩返しをしたい、と野球部員たちが大仙市に駆け付けたのです。

7月の記録的な大雨で、秋田県は各地で被害が発生しました。大仙市をはじめ、仙北市横手市秋田市など17市町で1400棟以上の住宅が全半壊・浸水被害にあっています。そのような中、陸前高田市を6時に出発した野球部員17人は、2手に分かれて、床下の泥だしや庭に入り込んだゴミなどを片づけたそうです。浸水してしまった家は、水や泥で見る影もなくなってしまいます。いくら掃除をしてもなかなかきれいになりません。当然、掃除をする方の服も泥だらけに。野球部員たちは約4時間、汗を流したそうです。

野球部員といえば、毎日大変な練習をし、体力もあるでしょう。ボランティアの活動は練習のつらさとはまた違った大変さがあると思います。しかし彼らは、自分たちも震災のつらさを実感しています。つらい気持ちが分かるので、少しでも助けになりたい、と一生懸命作業を続けたそうです。被害を受けた人たちは、そういった温かさに元気づけられるのです。彼らの素晴らしい行動と気持ちに、自分のしていることが精神的な支えにもなっていてくれるのだ、と水田昌宏も励まされた思いです。